ブラッドソーセージで世界一周:文字原稿
はじめに
血を食材にした料理と聞くと、少し驚く方もいるかもしれません。ですが、人類の歴史をさかのぼると、血を無駄なく使う知恵は世界各地に存在してきました。肉や骨と同じく血液も大切なたんぱく源であり、保存が難しいからこそ腸詰めという形で受け継がれてきたのです。
この本では、そんな「ブラッドソーセージ」をテーマに世界一周を試みます。ヨーロッパの朝食に登場するブラックプディング、アフリカの祝祭を彩るムトゥラ、ラテンアメリカの米入りモルシージャ、アジアやオセアニアに根付いた独自の血の料理たち──それぞれに文化や歴史が込められています。
レシピはすべて日本の家庭でも作れるように工夫し、血の代わりに「麻辣鴨血」を活用しました。台湾の人気料理である鴨血豆腐(麻辣火鍋の具材)を応用することで、気軽に「血の旨味」を体験できます。
さあ、一皿ごとに世界を旅するように、ブラッドソーセージの奥深さを味わってみましょう。
ブラッドソーセージとは?
ブラッドソーセージとは、その名の通り動物の血液を材料に使った腸詰めの総称です。古代ローマ時代の文献にも記録があり、羊や豚の血に穀物や脂、玉ねぎやハーブを加えて腸に詰め、茹でたり焼いたりして食べられていました。ヨーロッパでは「ブラックプディング(イギリス)」「ブーダン・ノワール(フランス)」「ブルートヴルスト(ドイツ)」と呼ばれ、それぞれ独自の香辛料や付け合わせが発展しました。
血は栄養価が高く、鉄分やタンパク質を豊富に含みます。一方で傷みやすい食材でもあるため、各地で「穀物や米を混ぜて加熱」「酸味やスパイスで保存性を高める」などの工夫が凝らされてきました。こうして誕生したブラッドソーセージは、単なる食材利用の知恵を超えて、その土地の祭礼や宗教、移民文化と結びついてきたのです。
本書では、アフリカ・アメリカ・アジア・ヨーロッパ・オセアニアの5地域から代表的なレシピを選び、家庭で実際に作れる形にアレンジしました。血の旨味と文化の背景、両方を味わう旅に出かけましょう。
第1章 アフリカ
アフリカのブラッドソーセージ
アフリカのブラッドソーセージは、祭礼や祝宴の場で特に重要な役割を果たしてきました。牛やヤギの血を新鮮なうちに肉や内臓と混ぜ、腸に詰めて炭火で焼くケニアの「ムトゥラ」や、辛味スパイスとハーブを加える北アフリカの腸詰などはその代表例です。血は貴重な栄養源であり、家畜を屠る儀礼と食が直結している地域ならではの知恵といえます。アフリカでは味付けの多様性が豊かで、唐辛子やハーブを強く効かせるもの、玉ねぎや酸味で軽やかに仕上げるものなど、土地ごとの特徴が反映されます。
① ケニア風ムトゥラ(Mutura)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 60g(1cm角に刻む)
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牛ひき肉(または牛豚合挽) … 120g
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牛脂 … 20g(みじん切り)
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赤玉ねぎ … 30g(みじん切り)
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にんにく … 1/2片(みじん切り)
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生姜 … 5g(みじん切り)
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香菜 … 5g(粗みじん)
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青唐辛子 … 5g(輪切り)
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30〜35cm(塩抜きしておく)
手順
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腸を塩抜きし、鴨血を1cm角に切る。
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ボウルに牛ひき肉・牛脂・玉ねぎ・にんにく・生姜・香菜・青唐辛子・塩胡椒を入れ、粘りが出るまで混ぜる。
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鴨血を加えてやさしく混ぜ合わせる。
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腸に詰め、10cmごとにねじって空気を抜く。
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80〜85℃の湯で15〜20分静かに下茹でし、冷ました後、炭火やフライパンで香ばしく焼く。
文化的解説
ムトゥラはケニアを代表するストリートフードで、祝い事や屋台で人気のあるブラッドソーセージです。牛やヤギを屠るときに血や内臓を余すことなく使う知恵から生まれ、唐辛子や香味野菜で味を整えます。夜の市場で炭火の煙が立ち込める中、ムトゥラを頬張る光景はケニアの食文化を象徴します。かつては婚姻儀礼や祭礼で振る舞われる神聖な料理でしたが、現在では庶民的な軽食としても定着しています。
② チュニジア風(ハリッサ&タビル)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(1cm角に刻む)
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豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 25g(5mm角)
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ブルグル(茹で) … 40g
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玉ねぎ … 30g(みじん切り)
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ハリッサ … 小さじ1/2
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クミン … 小さじ1/4
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コリアンダー … 小さじ1/4
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キャラウェイ … 少々
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30〜35cm(塩抜きしておく)
手順
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腸を塩抜きし、ブルグルを茹でる。鴨血は刻む。
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玉ねぎを油で炒めて甘みを出し、粗熱を取る。
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肉・背脂・鴨血・ブルグル・玉ねぎ・ハリッサ・スパイス・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじって空気を抜く。
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80〜85℃で20分下茹でし、仕上げにフライパンで焼き、レモンを搾る。
文化的解説
チュニジアの腸詰は、クミン・コリアンダー・キャラウェイを使ったスパイスブレンド「タビル」と、唐辛子ペースト「ハリッサ」による香りと辛さが特徴です。血の濃厚さを香りと辛味で引き締め、クスクスやポテトと合わせることが多いです。レモンの酸味が加わることで、暑い気候にも合う爽快な味わいとなります。
③ エチオピア風(ベリベリ&バター)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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豚ひき肉 … 110g
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バター … 10g
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押し麦(茹で) … 40g
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玉ねぎ … 30g(みじん切り)
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ベリベリ … 小さじ1(または一味唐辛子+カレー粉)
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にんにく … 1/2片(みじん切り)
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜きしておく)
手順
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押し麦を茹で、鴨血を刻む。
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玉ねぎをバターで炒め、甘みを出して冷ます。
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肉・鴨血・押し麦・炒め玉ねぎ・にんにく・ベリベリ・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰めてねじり、80〜85℃で20分下茹で。
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厚切りにして軽く焼き、ヨーグルトを添える。
文化的解説
エチオピアの料理は、唐辛子ブレンド「ベリベリ」と、香り豊かなスパイス入りバター「ニトル・キベ」が特徴です。玉ねぎと辛味のバランスに押し麦を加えることで、食感のアクセントが生まれます。酸味のあるヨーグルトを添えるのは、現地の辛い料理を和らげる食習慣を反映しています。
④ 南アフリカ風(コリアンダー&ドライアプリコット)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 60g(刻む)
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豚ひき肉 … 120g
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豚背脂 … 20g
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パン粉 … 15g+牛乳20ml
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ドライアプリコット … 15g(角切り)
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コリアンダーシード … 小さじ1/2
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オールスパイス … 少々
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にんにく … 1/2片
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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パン粉を牛乳でふやかす。
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肉・背脂・鴨血・パン粉・アプリコット・スパイス・にんにく・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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表面を焼き、マンゴーチャツネを添える。
文化的解説
南アフリカの「ボーラウォース」などの料理は、スパイスと甘味の組み合わせが特徴です。ここではアプリコットを使い、血の旨味を果実の酸味で軽やかに仕上げました。チャツネを添えることで、南ア独特の甘辛バランスが完成します。
⑤ セネガル風(ヤッサ・オニオン添え)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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豚ひき肉 … 110g
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豚背脂 … 20g
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炊いた米 … 50g
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玉ねぎ … 60g(半量薄切り・半量みじん)
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レモン果汁 … 小さじ1
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パセリ … 3g
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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玉ねぎの半量を炒めてレモン果汁を加え、ヤッサソースにする。
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残りの玉ねぎをみじん切りにする。
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肉・背脂・鴨血・炊いた米・玉ねぎ・パセリ・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、80〜85℃で20分下茹で。
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表面を焼き、ヤッサソースをかける。
文化的解説
セネガルの「ヤッサ」は、玉ねぎとレモンで仕上げるソースで、鶏や魚とともに食べられます。本レシピではヤッサをブラッドソーセージに添えることで、血の濃厚さを玉ねぎの甘みと酸味で和らげました。米を混ぜる点は、大西洋を隔てたラテン圏のモルシージャとの共通性も感じられます。
第2章 アメリカ
アメリカのブラッドソーセージ
アメリカ大陸のブラッドソーセージは、ヨーロッパからの移民とともに持ち込まれ、現地の食材と融合しながら独自に発展しました。アルゼンチンやウルグアイでは「アサード」の定番として米入りモルシージャが供され、メキシコでは香草や唐辛子を効かせた「モロンガ」がタコスに欠かせない具材になります。プエルトリコではソフリートを混ぜ込むことで島の香りを加え、祝祭料理の一部として定着しました。アメリカ大陸の特徴は、血を“日常の一品”に落とし込み、米や豆、唐辛子といった身近な食材と組み合わせる柔軟さにあります。
① アルゼンチン風モルシージャ(米入り)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 30g(5mm角)
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炊いた米 … 50g
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玉ねぎ … 30g(みじん切り)
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にんにく … 1/2片(みじん切り)
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パプリカパウダー … 小さじ1/4
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クミン … 小さじ1/4
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オレガノ … ひとつまみ
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜きしておく)
手順
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鴨血を刻み、玉ねぎとにんにくを炒めて冷ます。
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肉・背脂・鴨血・米・玉ねぎ・にんにく・スパイス・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20〜25分下茹でし、氷水で冷ます。
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厚切りにして焼き、チミチュリソースを添える。
文化的解説
アルゼンチンの「アサード(バーベキュー)」に欠かせないのがモルシージャです。豚の血と米を混ぜ込んだ腸詰で、濃厚ながらも食感は軽やか。炭火で香ばしく焼き、肉の盛り合わせと一緒に供されます。地方によってはレーズンやナッツを入れるバリエーションもあり、移民文化の影響が色濃く残っています。社交や家族の絆を象徴する食卓に並ぶモルシージャは、アルゼンチンの食文化を代表する味です。
② メキシコ風モロンガ(ミント香る麻辣鴨血)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 60g(刻む)
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豚ひき肉 … 90g
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豚背脂 … 20g
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トマト … 50g(みじん切り)
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玉ねぎ … 30g(みじん切り)
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ハラペーニョ … 10g(みじん切り)
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オレガノ … ひとつまみ
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ミント … 3〜4枚(刻む)
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酢 … 小さじ1
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜きしておく)
手順
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トマト・玉ねぎ・ハラペーニョを炒め、粗熱を取る。
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肉・背脂・鴨血・①・オレガノ・ミント・酢・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじって成形する。
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80〜85℃で20分下茹でし、氷水で冷ます。
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輪切りにして焼き、レモンと刻み玉ねぎを添え、タコスに挟む。
文化的解説
メキシコの「モロンガ」は、唐辛子とハーブを組み合わせた血のソーセージで、屋台や市場で広く食べられています。特にミントやエパソテなどの清涼感ある香草を使う点が特徴で、血の濃厚さを爽やかに引き締めます。タコスやゴルディータの具材として人気で、辛味・酸味・清涼感が一体となった味わいは、メキシコ料理の大胆さと調和を象徴しています。
③ プエルトリコ風モルシージャ(米+ソフリート)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 60g(刻む)
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豚ひき肉 … 100g
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炊いた米 … 80g
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玉ねぎ … 20g(みじん切り)
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ピーマン … 20g(みじん切り)
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にんにく … 1片(みじん切り)
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パクチー … 5g(刻む)
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オレガノ … ひとつまみ
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酢 … 小さじ1
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜きしておく)
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添え物:ピケ(唐辛子入り酢)
手順
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玉ねぎ・ピーマン・にんにくを炒め、ソフリートを作る。
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肉・鴨血・米・ソフリート・パクチー・オレガノ・酢・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20〜25分下茹でし、氷水で冷ます。
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輪切りにして焼き、ピケをかける。
文化的解説
プエルトリコのモルシージャは、米をたっぷり混ぜた血のソーセージで、祝祭やクリスマスに欠かせません。ソフリートと呼ばれる香味野菜炒めを加えるのが特徴で、島の香りをまとわせます。仕上げにピケ(唐辛子入り酢)をかけると、酸味と辛味が血と米の重さを引き締めます。大皿に盛られてレチョン(豚の丸焼き)と並ぶ光景は、プエルトリコの豊かな食文化を象徴しています。
第3章 アジア
アジアのブラッドソーセージ
アジアのブラッドソーセージは、スープや煮込みに溶け込むかたちで広く親しまれています。台湾の麻辣火鍋に欠かせない鴨血豆腐はその代表例で、腸詰というより「血の豆腐」として楽しまれます。中国四川では花椒や唐辛子を効かせた辛味系の腸詰、モンゴルでは羊の血と脂を用いた素朴なソーセージ、韓国では春雨や野菜を詰める「スンデ」が知られています。日本でも狩猟文化を持つマタギが獲物の血を保存食にしてきた伝統があり、血を活かす知恵は大陸を超えて共有されているのです。
① 台湾風
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 80g(そのまままたは1cm角)
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もち米 … 60g(炊いておく)
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豚ひき肉 … 80g
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豚背脂 … 20g(5mm角)
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ピーナッツ … 10g(粗く刻む)
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醤油 … 小さじ2
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砂糖 … 小さじ1
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五香粉 … 小さじ1/4
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塩 … 1g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜きしておく)
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添え物:甜辣醤 適量
手順
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もち米を炊き、ピーナッツを刻む。鴨血を1cm角に切る。
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肉・背脂・鴨血・もち米・ピーナッツをボウルに入れ、醤油・砂糖・五香粉・塩胡椒で味付け。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20〜25分下茹でし、氷水で冷ます。
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輪切りにして甜辣醤を添える。
文化的解説
台湾のブラッドソーセージは「米血糕」と呼ばれ、もち米と血を固めた屋台スナックです。串に刺し、甘辛いタレやピーナッツ粉をまぶして食べるのが一般的。本レシピでは腸詰めにして家庭でも再現可能にしました。もち米のもちっとした食感が血の濃厚さをやわらげ、ピーナッツの香ばしさがアクセントになります。
② 中国四川風
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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豚ひき肉 … 100g
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春雨 … 30g(茹でて短く切る)
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豚背脂 … 20g(5mm角)
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にんにく … 1/2片(みじん切り)
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花椒 … 小さじ1/4(潰す)
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唐辛子粉 … 小さじ1/2
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醤油 … 小さじ2
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塩 … 1g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜き)
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添え物:香菜 適量
手順
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春雨を茹で、鴨血を刻む。
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肉・背脂・鴨血・春雨・にんにく・花椒・唐辛子粉・醤油・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20分下茹でし、冷ます。
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輪切りにして香菜と辣油を添える。
文化的解説
四川料理は「麻辣」が特徴で、花椒と唐辛子の刺激が血の濃厚さと調和します。春雨を混ぜることで韓国のスンデに通じる食感が生まれます。香菜と辣油を加えることで、火鍋や屋台料理の雰囲気を再現しました。
③ モンゴル風
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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羊ひき肉 … 120g
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羊脂 … 20g(5mm角)
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玉ねぎ … 30g(みじん切り)
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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クミン … 小さじ1/4
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豚腸 … 約30cm(塩抜き)
手順
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鴨血を刻み、玉ねぎをみじん切りにする。
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羊ひき肉・脂・鴨血・玉ねぎ・クミン・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰めてねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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表面を焼き、塩でシンプルに食べる。
文化的解説
モンゴルの遊牧文化では、羊や山羊の血を肉や脂とともに腸に詰めて保存食にしてきました。香辛料は少なく、素材の旨味を生かす素朴な味付けが特徴です。本レシピではクミンを加え、日本でも再現しやすい形にしました。
④ 韓国風(スンデ)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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豚ひき肉 … 100g
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春雨 … 40g(茹でて短く切る)
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ニラ … 20g(小口切り)
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にんにく … 1/2片(みじん切り)
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ごま油 … 小さじ1
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜き)
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添え物:塩+ごま油
手順
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春雨を茹でて切り、鴨血を刻む。
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肉・鴨血・春雨・ニラ・にんにく・ごま油・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじって成形。
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80〜85℃で20分下茹で。
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輪切りにして塩+ごま油で食べる。
文化的解説
韓国のスンデは、春雨や野菜を血とともに腸に詰める庶民的な料理で、屋台や家庭で広く親しまれています。断面に春雨が透ける独特の見た目と食感が特徴です。スープ「スンデグッ」としても食べられ、寒い季節の体を温める料理として人気があります。
⑤ 日本(マタギ風)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(刻む)
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豚ひき肉(または猪肉) … 120g
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炊いた米 … 50g
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味噌 … 小さじ1
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山椒 … 少々
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塩 … 1g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm(塩抜き)
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添え物:味噌だれ(味噌+みりん+水)
手順
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鴨血を刻み、炊いた米を用意する。
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肉・鴨血・米・味噌・山椒・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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輪切りにして軽く焼き、味噌だれを添える。
文化的解説
日本では一般的に血を食べる習慣は薄いですが、山間部のマタギは熊や猪の血を腸に詰め、保存食として活用してきました。味噌や山椒を加えることで和の風味を持たせ、血のクセを和らげています。本レシピはその知恵を現代風に再現したものです。
第4章 ヨーロッパ
ヨーロッパのブラッドソーセージ
ヨーロッパはブラッドソーセージの宝庫といわれ、国や地域ごとに多彩なバリエーションが存在します。古代ローマ時代にはすでに腸詰が作られており、保存食や祝宴の料理として広まりました。イギリスの「ブラックプディング」、フランスの「ブーダン・ノワール」、ドイツの「ブルートヴルスト」、フィンランドの「ムストマッカラ」などは現在でも広く親しまれています。穀物や果物、スパイスを組み合わせることで、血の濃厚さを和らげつつ、それぞれの風土や嗜好に合った個性を生み出しています。
① 古代ローマ風(ルカニアソーセージ)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 60g(刻む)
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豚ひき肉 … 120g
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大麦 … 40g(茹でる)
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豚背脂 … 20g(5mm角)
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松の実 … 10g(炒る)
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クミン … 小さじ1/4
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コリアンダー … 小さじ1/4
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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大麦を茹で、松の実を炒る。鴨血を刻む。
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肉・背脂・鴨血・大麦・松の実・スパイス・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、10cmごとにねじる。
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80〜85℃で20分下茹でし、冷ます。
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オリーブオイルで焼き、皿に盛る。
文化的解説
古代ローマでは、肉や血に穀物とスパイスを混ぜた腸詰「ルカニアソーセージ」が記録に残っています。遠征や祝祭で食べられ、兵士の保存食にも利用されました。本レシピでは大麦と松の実を加え、当時の素朴さを再現しています。
② イタリア風(サルシッチャ・ディ・サングエ)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 20g
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炊いた米 … 40g
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レーズン … 10g(戻す)
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玉ねぎ … 20g(炒める)
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シナモン … 少々
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赤ワイン … 小さじ2
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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レーズンを赤ワインに漬けて戻す。鴨血を刻む。
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玉ねぎを炒め、粗熱を取る。
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肉・背脂・鴨血・米・レーズン・玉ねぎ・シナモン・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で20分下茹でし、軽く焼く。
文化的解説
南イタリアではレーズンやシナモンを加えた甘味のある血のソーセージが伝統的です。これはアラブ文化の影響を受けたもので、甘味と塩味を組み合わせる地中海的食習慣を示しています。
③ イギリス風(ブラックプディング)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 20g
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オートミール … 40g(乾煎り)
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玉ねぎ … 30g(炒める)
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タイム … 小さじ1/4
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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オートミールを煎る。玉ねぎを炒める。
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肉・背脂・鴨血・オートミール・玉ねぎ・タイム・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で25分下茹で。
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厚切りにして焼き、トマトやベイクドビーンズと合わせる。
文化的解説
イギリスのブラックプディングは「イングリッシュ・ブレックファスト」に欠かせない定番です。オートミールを加えることで腹持ちがよく、香ばしい風味が血の濃厚さを和らげます。
④ ドイツ風(ブルートヴルスト)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 110g
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豚背脂 … 20g
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りんご … 40g(炒める)
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玉ねぎ … 30g(炒める)
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マジョラム … 小さじ1/4
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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りんごと玉ねぎを炒める。鴨血を刻む。
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肉・背脂・鴨血・りんご・玉ねぎ・マジョラム・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で25分下茹で。
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焼いてザワークラウトを添える。
文化的解説
ドイツの「ブルートヴルスト」は地域ごとに多様で、りんごやマジョラムを加えるものが人気です。ビールやザワークラウトとの組み合わせが定番で、屋台から祭りまで幅広く楽しまれています。
⑤ フランス風(ブーダン・ノワール)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
-
豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 20g
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玉ねぎ … 40g(炒める)
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牛乳 … 30ml
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ナツメグ … 少々
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
-
豚腸 … 約30cm
手順
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玉ねぎをバターで炒める。
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肉・背脂・鴨血・牛乳・玉ねぎ・ナツメグ・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で25分下茹で。
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焼いてりんごソテーやマッシュポテトを添える。
文化的解説
フランスの「ブーダン・ノワール」は血のソーセージの中でも特に上品で、レストランから家庭まで広く食べられています。炒め玉ねぎと牛乳でなめらかに仕上げ、果物を添えるのが特徴です。
⑥ フィンランド風(ムストマッカラ)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
-
豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 20g
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ライ麦粉 … 30g
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玉ねぎ … 20g(みじん切り)
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牛乳 … 30ml
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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鴨血を刻み、玉ねぎをみじん切りにする。
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肉・背脂・鴨血・ライ麦粉・玉ねぎ・牛乳・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で25分下茹で。
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焼いてリンゴンベリージャムを添える。
文化的解説
フィンランドの「ムストマッカラ」はライ麦粉を加えることで独特の素朴さが生まれます。リンゴンベリージャムを添える甘酸っぱい食べ方が定番で、北欧らしい味覚のコントラストを象徴します。
⑦ アイスランド風
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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羊ひき肉 … 120g
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豚背脂 … 20g
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大麦 … 40g(茹でる)
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玉ねぎ … 20g
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キャラウェイシード … 小さじ1/4
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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大麦を茹で、鴨血と玉ねぎを刻む。
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肉・背脂・鴨血・大麦・玉ねぎ・キャラウェイ・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で25分下茹で。
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焼いてスープの付け合わせにする。
文化的解説
アイスランドの「ブロースト(Blóðmör)」は羊の血と大麦を使った素朴な腸詰です。厳しい冬を越えるための栄養源であり、キャラウェイの香りがアクセント。スープに入れたり、焼いて食べたりと多用途に使われます。
第5章 オセアニア
オセアニアのブラッドソーセージ
オセアニアにおけるブラッドソーセージは、ヨーロッパ移民の伝統と、太平洋諸島の土着食文化が交差して生まれた独特の料理です。オーストラリアやニュージーランドでは、イギリスから伝わったブラックプディングが朝食やパブ料理として定着しました。一方、フィジーやサモアでは、ココナツやタロ芋といった島の食材と組み合わせることで、血の濃厚さを南国的な風味で包み込む独自のスタイルが育まれています。ニューカレドニアではフランスのブーダン文化と熱帯果実が融合し、ハワイではポルトガル移民の「モルセラ」が多文化社会に根付いています。オセアニアのブラッドソーセージは、大陸と島々の出会いを物語る食の遺産です。
① ニュージーランド/オーストラリア風「ブラックプディング」
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g(ペースト状にする)
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豚ひき肉 … 80g
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豚背脂 … 30g
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オートミール … 30g(乾煎り)
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玉ねぎ … 30g(炒める)
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タイム … ひとつまみ
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マジョラム … ひとつまみ
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牛乳 … 20ml
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
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添え物:さつまいもロスティ
手順
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オートミールを煎り、玉ねぎを炒め、鴨血を潰す。
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肉・背脂・鴨血・オートミール・玉ねぎ・ハーブ・牛乳・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で20〜25分下茹で。
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焼いてロスティを添える。
文化的解説
英国移民が持ち込んだブラックプディングは、ニュージーランドやオーストラリアで定着しました。現地では特産のクマラ(サツマイモ)と組み合わせることが多く、甘みと濃厚さの対比が特徴です。本レシピでは日本のさつまいもで代用しました。
② フィジー風(ココナツ&じゃがいも/ミティ添え)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 100g
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じゃがいも … 60g(茹でて潰す)
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ココナツミルク … 30ml
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青ねぎ … 10g
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赤唐辛子 … 5g
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
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ミティ(ココナツミルク+レモン汁+塩)
手順
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じゃがいもを茹でて潰す。鴨血を刻む。
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肉・鴨血・じゃがいも・ココナツミルク・青ねぎ・唐辛子・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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焼き、ミティをかける。
文化的解説
フィジーではキャッサバやタロ芋とココナツを組み合わせた料理が多く、血の料理もその文脈で楽しまれます。仕上げにかける「ミティ」は現地の万能調味料で、酸味と塩味が血の重さを引き締めます。
③ サモア風(タロ=里芋&ココナツ)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 20g
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里芋 … 70g(蒸して角切り)
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ココナツクリーム … 20ml
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青ねぎ … 10g
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にんにく … 1/2片
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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里芋を蒸して切る。鴨血を刻む。
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肉・背脂・鴨血・里芋・ココナツクリーム・青ねぎ・にんにく・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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焼き、バナナの葉で包む。
文化的解説
サモアの食文化はタロ芋とココナツを基盤としており、血の料理もこの組み合わせで作られます。断面に白い里芋が見えることで独特の見た目になります。バナナの葉に包むのは祝祭の伝統的スタイルです。
④ ニューカレドニア風(林檎&ラム酒・仏領ブーダン流儀)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 110g
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豚背脂 … 20g
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りんご … 40g(炒める)
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玉ねぎ … 25g
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パン粉 … 15g+牛乳20ml
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ラム酒 … 小さじ1
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ナツメグ … 少々
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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パン粉を牛乳でふやかし、りんごを炒める。
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肉・背脂・鴨血・りんご・玉ねぎ・パン粉・ラム酒・ナツメグ・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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焼いてマッシュポテトを添える。
文化的解説
ニューカレドニアはフランス領であり、ブーダン文化を基盤にしつつ、ラムや熱帯果実を取り入れた独自の味わいを生み出しました。林檎とラム酒の香りが血の濃厚さを和らげ、フランスと南洋の融合を象徴します。
⑤ ハワイ風(ポルトガル系モルセラ)
材料(1人分)
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麻辣鴨血 … 70g
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豚ひき肉 … 100g
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豚背脂 … 20g
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炊いた米 … 50g
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玉ねぎ … 20g(炒める)
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にんにく … 1片(炒める)
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赤ワイン酢 … 小さじ1/2
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シナモン … 少々
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クローブ … 少々
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オールスパイス … 少々
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塩 … 2g
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黒胡椒 … 少々
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豚腸 … 約30cm
手順
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玉ねぎとにんにくを炒める。鴨血を潰す。
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肉・背脂・鴨血・米・玉ねぎ・にんにく・スパイス・赤ワイン酢・塩胡椒を混ぜる。
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腸に詰め、ねじる。
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80〜85℃で20分下茹で。
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焼き、パイナップルのグリルを添える。
文化的解説
ハワイにはポルトガル移民が「モルセラ」を伝えました。スパイスと米を混ぜ込むスタイルで、現地ではパイナップルや酢漬けの野菜と合わせることも多いです。多文化社会ハワイの食卓を象徴する一皿です。
おわりに
ブラッドソーセージは、一見すると血という特異な食材を用いた料理ですが、世界各地で驚くほど多彩に工夫され、文化の中に溶け込んできました。ケニアの祝祭、メキシコの屋台、台湾の夜市、ドイツのビアホール、フィジーの家庭──それぞれの場において、血は「命を無駄にせずいただく」ための知恵であり、人と自然を結びつける象徴でした。
国や地域によって混ぜ込まれるものは異なります。穀物や芋、果実やハーブ、香辛料や乳製品。血の濃厚さをどう活かし、どう調和させるかに、人々の暮らしと気候、信仰や歴史が映し出されています。レシピを比べていくと、「血のソーセージ」は単なる食べ物ではなく、その土地の文化そのものを味わう体験であることに気づかされます。
本書を通じて、血を用いた料理に込められた多様な知恵と工夫を「食の世界地図」として楽しんでいただければ幸いです。そして、台所で実際に調理しながら、遠い国の食卓や祭りの情景に思いを馳せることができたなら、この試みは大きな意味を持つことでしょう。
「ブラッドソーセージで世界一周」の旅は終わりではなく、むしろ始まりです。次にあなたが口にする一皿が、どこの国の物語を語ってくれるのか──ぜひ探してみてください。
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